②パナマのトマト

 

いや~、無理ですね。
もう全然無理。圧倒的無理。無理みが強い。

 

ポジェーラって一見ワンピースみたいに見えますけど、実は上下に分かれてるんですな。
早い話が、こんな感じ。

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であれば、とりあえず上のシャツ部分から作り始めるのが無難でしょうか。
様子見も兼ねて。

 

 

で、話は変わりますが、日本は山手線かの日暮里駅の繊維街にトマトというお店があります。こちら、

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趣味でお裁縫やる人なら、大抵ここに辿り着くと噂される程有名なお店。

そう、ここがかの有名な日暮里トマト。ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

まあ、一口で説明すると大きな手芸屋さんなんですけど。卸専門店なのでとにかく布が安い!

特に必見なのが、一階にあるメーター100円布コーナー。

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この100円布たちにどれだけ財政を助けられてきたことか……

 


で、今回、布を買うならトマトに行かなければならない……という脅迫概念と共に足を運んだのがこちら。

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パナマのトマト。


と言っても過言ではないくらい雰囲気が似ている布屋さん。


パナマではお祭りの度にひたすらパレードをするんですが

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その時、それぞれのグループで衣装を自作するらしく、ジャパンの限界オタクもびっくりする程手芸資材が豊富なんです。渡りに船とはこのことだ。

という訳で、ポジェーラ作製の熱意を胸に。早速ですが行ってきました。

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とりあえず、右も左もわからないので。ドキドキしながら店員のおばちゃんに聞いてみる。

私「すいませんあの、、、もし、、、ポジェーラを作るとしたら、どの布が一番良いんでしょうかね、、、」

いやー、まさに曖昧スペイン語教室。
手芸に関する単語なんてわかんないじゃん。

ハードルガン高。でも、とりあえず伝わったみたいで、案内されたのがこちら。

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んーーー。
間違ってはないんですけど、こういう小花柄模様の布って、ダンスとかの練習用ポジェーラに使うみたいなんですよね。


今回は模様も自分で決めたいので、却下。


私「こう、、、刺繍とかしたいので、、、もっと普通の白いやつ、、、」(曖昧スペイン語


とおばちゃんに伝えると、次に出してきてくれたのがこちら。

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おおーー!なかなか良さそう!
柔らかいし、刺繍もしやすいらしい(おばちゃん談)

そして、本格的なポジェーラは基本的にこの布で作るらしい。

100%綿。


しかしですね……ここで衝撃の事実その①


なんとこちらの綿100%ポジェーラ用布、メーター13ドル(日本円:1440円)

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マジか。


こちとらトマトのメーター100円布信者だぞ、、、綿使うならちょっと贅沢してメーター700円が相場の人生だぞ、、、
一回だけトチ狂ってメーター4800円のガンメタ買ったことありますけど、それ以外は質素なもんでしたよいやマジで。


しかもおばちゃん曰く、ポジェーラ作るなら最低でも12メートルは必要ね、との事。
軽~く1万超えるじゃん。余裕で諭吉バイバイなんですが。

あんまりこういう話はしたくないですけど、我々、お給料もお給料なので。生活に余裕がある訳ではない。
時間はあるけど金はない。まさにそれ。


その辺の白い布で作ったらダメなの?それならメーター5ドル(555円)くらいでしょ。

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……と思わなくもなかったのですが……

自分でポジェーラ作るなんて、たぶん一生に一度の出来事。一度きり。
それなら、本場パナマ人お勧めの布でちゃんと作った方が良くない??金に糸目つけてる場合じゃなくない??

 

…………よっしゃー!!よく言った!!!

 

はい、お買い上げ。ありがとうございました。


まあ、今回は上のパーツ分だけだし。
2メーターとちょっとで、お支払いは33ドル(3660円)
まあ……まあ……まあ。日本円にするとそうでもないか。

 


ところでこのパナマトマト、二階部分がリボン・レース・糸等の小物売り場になってます。(こういうとこも、ちょっと日暮里っぽい)

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折角なので、一緒にレースも買っちゃおーっと!
まあ、なんかいい感じに可愛いやつ買って、裾に縫い付ければそれっぽくなるだろうし。


という訳で、布を買ったその足で二階へゴー。
やっぱり右も左もわからないので、とりあえず聞く。

 

私「すいません、、、ポジェーラ作りたいんですけど、、、どのレースがいいんでしょうかね、、、」(曖昧スペイン語
おばちゃん「どのレース?」
私「ん?どの?」
おばちゃん「だから、×××(聞き取れない)?それとも、○○○(聞き取れない)?」
私「???」

 

 

ここで衝撃の事実その②

 

ポジェーラの華やかさを引き立てるこのレースたち

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実は……何種類ものレースを組み合わせて作られていたらしい。一生懸命写真見てたけど、全然気付かなかった。

レースにはそれぞれ名前があって、形も決まっている。
どのレースをどこの部分に使うか、どう組み合わせるかも決まっているらしい。

ここにはギャザーを寄せるけど、ここには寄せないとか。このレースは布の上から縫うけど、こっちは布には被せないとか。
(地域ごと、用途ごとによっても違いがあるみたい)

 

お、、、おう。全く知りませんでした。
ただ適当なレース買って縫えばいいってもんじゃなかった……パナマもポジェーラもそんなに甘くない……。


で、おばちゃんに聞いてメモったのがこちら。ポジェーラ上半身に使うレース。

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少なくとも四種類……首元用、裾用、首元の装飾用、裾の装飾用。


そもそも「レース」ってスぺ語ですらギリギリなのに、それ以外の単語聞き取れる訳なくないですか?ないよね?私はない。

 

余りにも何も知らない外国人。しかも曖昧スペイン語……。
そんな私に、手芸屋のおばちゃん二人がかりで手取り足取り、ポジェーラについてレクチャーしてくれました。

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本当にありがたい。ありがとう。ありがとうおばちゃん達。

どんな模様にするの?と聞かれたので、
日本には桜というピンクの花があって、その花を刺繍したいんですよ!!と説明。
実はポジェーラの模様には(伝統的なやつには?)色を5種類の中から使う決まりがあって、その色によってレースの色も変わるらしい。
模様の種類もある程度決まってるみたい。

 

今回はオリジナル?の柄になるので、、、
おばちゃん一生懸命考えて、レース選んでくれました。

つくづくありがてえ……。涙が出るぜ。

試行錯誤して決まったのがこちらの組み合わせ。

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モチはモチ屋。ポジェーラはパナメーニョ(訳:パナマ人)。まさにこれ。
パナマ人、一見不愛想ですけどこういう時しっかり助けてくれるの本当に優しいと思います。感謝。
ありがとうおばちゃん、刺繍頑張るね……挫けるかもしれないけど……


そんなこんなで
もしかして自分、世界一ポジェーラのレースに詳しい日本人なのでは?と若干傲慢な気持ちを抱えつつレジへ。
ついでに糸とか刺繍用の道具も加えてお会計。

 

 

……そんでもって、衝撃の事実その③

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60ドル(6660円)。

 

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……60ドル(6660円)。。。


ちなみにこちら

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首都で買ったゴアテックスの登山靴。
パナマの悪路を踏破する為に清水の舞台から飛び降りる覚悟で魔法のカード切りました。
87ドル(9600円)

 

そしてこちら

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今回のお買い上げ品
ポジェーラの材料たち、ちなみに上のパーツ分のみ
93ドル(10300円)

 

 

冒頭に戻りますが……無理ですね!
日本円にしたらそうでもないですけど、
こちとら一か月のお給料分の四分の一ですね!本当にありがとうございました。


逆に考えるんだ……退路は断たれた……あとは進むのみだと…………

 


ちなみに、ぼくのさいきょうのポジェーラのデザイン画書いてたこのノート

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うっかり店に忘れてきたので明日もう一回行ってきます。
序盤ヘタクソスペイン語で日記書いてたノートなんですけどね。

恥ずかしすぎて無事憤死